思いつきで開始する「資本主義ハックための基礎知識シリーズ」
この対話会のゲストに、山極寿一先生が来られますよ。穗口さんこういうのん好きでしょ?的なお誘いをいただいたのです。そうです、こういうの好きです!と参加を決め、対話のテーマであったこの書籍『共感革命』を読んだのでした。
山極先生は、京都大学でゴリラを研究していた霊長類学者。今は総合地球環境学研究所所長なんだとか。テレビ等のメディアにもしばしば登場する有名な先生ですね。その先生が書いた『共感革命』これは、ハラリあたりの「言語革命」に対抗したタイトルやな、と。言語より共感が先やで!はじめに言葉ありきちゃうで!共感が先やで!みたいな。
だから、言葉による幻想が行き過ぎた結果である現在の資本主義な世界も、もう一度共感ベースに上書きできる可能性があるで!という感じの目次だったので、これはもうこの本を読んで山極先生にお会いせねばなるまい、となったのですね。
僕たちがリウムスマイル!でやってみたい、共有材としてのシステム(生産手段と言っても良い)とスモールサービス(人間らしいお商売)の共同体による、資本主義世界における人間性の回復=資本主義ハックのヒントに溢れてそうですから。
本編でまず語られるのは、人類の脳容量の話。
脳がデカくなった時期と、言語を獲得した時期には大きなズレがある。言語より先に共感による共同(助け合い)があって脳がデカくなって、人類が進歩したした結果言語を獲得した、という流れちゃうんか、と。つまり、言語革命より共感革命が先なんやで。(先というのはより人類にとって根源的ともいえるもんね)
そして、類人猿の共同体の大きさは脳容積と相関がある。(ダンバー数というやつね)
ゴリラなら15体くらい。人間は150体くらい。(人間でも15人位の小集団は言語が必要がない集団として存在するとのこと。たしかに!)
さらに、人間は言語により150を重層的につなげることで、もっと大きな集団をつくることができた。その集団力で文明をつくり繁栄したわけだけど、敵の集団に言葉でラベリングすることで、戦争などの酷いこともできるようになった。定住することで土地を所有し、富を蓄えることが価値である、という競争に生きるようになった。(今の、ええ車乗る、でかい家住む、セレブなウェイウェイとかもこの流れ)
でも、こんなのは人類歴史からしたら、1%の期間にも満たないごく最近の期間に過ぎない。(700万年中の1万年くらい・農耕がはじまったくらい)
だから、戦争や所有競争が人間の本性でもなんでも無いで。人間の本性は共感やで!
人類がそのほとんどの期間を過ごしてきた、狩猟採集の生き方(共感に基づき、共有し、分かち合い、協力し、棲み分け、遊ぶように、移動しながら暮らす)をベースに、僕らの幻想を上書きしちゃえる可能性は十分にあるんやで!
という力強い意見がまとめられています。
コモンズ(共有材)としてのリウムスマイル!へのヒント
僕が夢見る、スモールサービスの資本主義ハックのコモンズとしてのSaaSへのヒントになるのは以下のキーワードかと。今後これらキーワードを考え、じっさいの仕組みに実装していきたいと考えてます。
- 棲み分けの理論(僕の言う、愛と調和と非競争)
- 150人と15人 重層的な集団(りうまー会の構造)
- 移動の自由と集合の自由と対話の自由
- 共有材による「獲物」は共有される
- あそび(それ自体が目的な活動)
- 認め合いの起こる場