目次に沿って書き溜めたブログ記事をまとめ、一つのファイルに統合する。
そのファイルをAIに読み込ませ、全体をチェックしてもらいながら、ディスカッションを通じて編集方針を決定する。
ここまでは、驚くほどトントン拍子に進んできました。
正直に言えば、「このままのペースで、あっという間に完成までいけるだろう」と高を括っておりました。
しかし、いざAIによる本格的な編集作業に入った途端、思わぬ混乱が生じることとなりました。
今後、皆さんがAIを活用してお商売のブログや原稿を編集する際の参考になるよう、そのプロセスで起きた「事件」を詳しく記録しておこうと思います。
このブログは、『AIによる編集作業の理想と現実』の6章-3「お布施発信には嘘がないから美しい」です。(※全6章をランダムに書き進めています。これまでの記事一覧)
「まるなげ編集」の落とし穴
編集作業に必要な情報は二つ。
一つは元となる原稿ファイル。もう一つは、どのように直してほしいかをまとめた「編集方針ファイル」。
この二つをAIに渡し、「編集方針に従って、原稿をリライトしてください」と指示を出しました。
事前のディスカッションで決めた編集方針が非常に素晴らしい内容だったので、ワン命令でバーンと完璧に近い原稿が出てくるんじゃない?うほうほ!と考えていたのです。
ところが、出てきた文章を見て愕然としました。
内容はまるで一般論の要約のようにシンプルです。話の筋も通っているとは思えません。そして何より、文章から僕が書いたリズムが消え失せていました。
お商売において、自分の想いや温度感を伝える文章のリズムは命です。それが削ぎ落とされ、どこか無機質な情報の羅列になってしまったことに、大きなショックを受けました。
試行錯誤の末に見えてきたこと
「これはダメか……」とClaudeCodeは諦め、別のAIであるGeminiに頼んでみましたが、やはり結果は同じ。要約されているのか何なのか、とにかく内容が薄っぺらいのです。
次にNotebookLMも試しました。しかし、こちらも「編集」ではなく「要約」をしてくるばかり。
最終的に、僕はClaudeCodeに腰を据えて指示を出すことに決めました。
AIにただ「やっておいて」と丸投げするのではなく、一人の人間(編集者)として向き合うことにしたのです。
僕はAIに対して、今の原稿が気に入らない理由を具体的に伝えました。そしてこう付け加えました。
「すぐに編集をやり直さないでください。僕が納得いく文章にするために、もし足りない情報があれば、まずは僕に質問してください」
このプロセスは、まさにプロの編集者と著者が意見を擦り合わせる作業そのものでした。AIを単なるツールとしてではなく、対話が必要なパートナーとして扱うことで、ようやく編集された文章の質が変わったのです。
この試行錯誤で学んだ3つの教訓
こうした失敗と対話を経て、僕はAIを「自分だけの編集者」として正しく機能させるための3つの教訓を得ました。
「要約禁止」を明確に指示する
プロンプト(指示文)に「文章の長さは維持すること」や「もとの文章はできるだけ残すこと」「具体的なエピソードや比喩表現を削らないこと」と明記してください。AIは効率を重んじるあまり、良かれと思って文章を削ってしまいます。大切な想いを守るためには、勝手に一般的な要約にさせないためのガードレールが必要です。
「役割」を細かく設定する
単に「編集して」と頼むのではなく、「あなたは僕の文体を熟知した、共感重視の編集者です。僕の癖やリズムを活かしつつ、読者が読みやすいように接続詞や構成だけを整えてください」と伝えてみてください。AIにどこまでを任せ、どこをいじらせないかという役割定義こそが、越権行為を防ぐ鍵となります。
ステップバイステップで進める
一気に全文をリライトさせるのではなく、まずは「第一章だけ」を試作させ、フィードバックを繰り返して精度を高めてから全体に適用してください。小さな修正と確認を積み重ねることが、結局は理想の原稿への一番の近道になります。
編集環境を整え、ようやく「ゲラ」の完成へ
AIとの対話を経て、ようやく全体を書き直してもらうことができました。